ボタン
プロフィール 基本理念 活動記録 コラム・論文 アルバム ムービー メルマガ 後援会:フォーラムユーリカ



刺激を受けた珠玉の言葉 ― テクノロジストの条件

産経新聞 2005年11月19日


 何を隠そう、私はピーター・ドラッカー氏の信奉者である。「マネジメントの神様」による数々の著作は私にとって目覚まし薬ともいえる。雑事に追われて視野狭窄に陥りがちな目から鱗を落とし、頭には刺激と英気を送ってくれるからだ。社会と個人の関係、経済のあるべき姿や文明、世界観の「本質」を、ドラッカー氏は歴史をひもときつつ教えてくれる。
 氏による国営企業の民営化の提言は英国サッチャー政権などで花開き、今日の日本でも実行されつつある。高齢化にともなう経済、社会、政治の変化に的確に指摘した『見えざる革命』は、今日の日本にこそ必要な名作である。
 米国の名だたる企業でマネジメントの指南役を務めた氏の著書を参考に、当時、野党暮らしだった私は401kの導入など企業年金問題に熱を上げたこともある。NPO活動に力を入れたのも氏の著書の刺激による。地球温暖化対策の一環として、意識改革のツールとして今夏、導入した「クールビズ」は氏が語るイノベーションの一種だと自負しているが、どうだろう。
 本書は先日、95歳で亡くなった氏の「テクノロジストではない人に技術のダイナミクス、可能性、方法論を教える」書である。理系人間にほど遠い私は、地球温暖化対策などの分野で働く理系研究者や技術者に畏敬の念を抱いている。そして、どうすれば、彼らの努力や研究成果を環境行政の中で生かすことができるかを考え続けている。
 氏は「理系の者がマネジメントを理解し、文系のものが技術を理解することが大切だ」と述べている。また、「知識そのものとその方向性、目標、成果にかかわる問題が、政治的なリーダーシップを必要とする問題となった」とも語る。これらのドラッカー氏の珠玉の言葉を胸に、環境革命を実現したい。






コラム・メニューに戻る