2016年、2020年の都知事選挙において都民の皆さまにお示しをした公約を、「未来の東京」戦略の政策目標に盛り込みました。政策目標164項目のうち、すでに139項目を推進※。着実に成果を上げています。
※新型コロナによる影響を受けた10項目を除くと9割超を推進
8年前、選挙公報に記載した「7つのゼロを目指します」は、東京が長きに渡り抱える課題の克服に挑戦するため、目指すべき将来の社会像を端的に示したものです。長期的な取組も存在していますが、いずれもこの8年間で着実に進捗しています。
「7つのゼロへ」も含めた都政の課題に対し、東京のあるべき姿と進めるための戦略を示した都の総合計画です。2030年までに到達すべき政策目標を掲げ、常にバージョンアップを継続しています。詳しくは、東京都公式サイトをご確認ください。
お子さんが保育園に入れないために復職を諦める方、待機児童になる不安により出産をためらう方など、待機児童問題は女性の社会進出の障壁のひとつであり、少子化問題の一因でもあります。
知事就任直後から保育所等の整備や保育士の処遇改善に向けた支援などの様々な対策を打ち出した結果、2016年4月1日時点で8,466人いた待機児童は、2023年4月1日時点でほぼ解消され(286人)、都内の40の自治体でゼロになりました。
次なる課題は「小1の壁」打破、学童保育の待機児童の解消です。
東京都は、保育園に入れない、学童保育に入れないという理由で出産をためらったり、仕事をあきらめたりすることがない、誰もが産み育てやすい社会を目指します。
保育所等の整備促進に向けた区市町村への支援を充実。保育所などの用地の確保策にスピード感をもって取り組み、保育サービス利用児童数は2016年4月1日時点の261,705人から2023年4月1日時点の323,749人へ、62,000人以上増加しています。
2019年4月の認可保育所の施設数は3,600所を超え(対2016年比+1,269所)、定員は320,000人以上(同+90,536人)となり、安心して子供を預けられる環境を着実に整備しています。
少子化の一因には、若年層の経済的不安があげられます。
安心して産み、育てられる社会づくりのために、2019年10月から国の幼児教育と保育の無償制度が始まりました。しかし、この国の制度では、3歳児~5歳児は完全無償ですが、0歳児~2歳児は住民税非課税世帯のみが対象となり、恩恵を受けられない方が大半でした。
そこで東京都では、国の制度開始に合わせて、第1子の年齢に関わらず、第2子→半額、第3子以降→無償という独自の追加支援を開始しました。
さらに、2023年10月からは、第2子の保育料も無償としました。
これにより、第2子以降の保育料は全て無償に。
子育て世帯の経済負担を軽減し、子育てしやすい東京都をつくります。
多様な働き方の実現とともに、男性も女性も家庭と仕事を両立することができるライフ・ワーク・バランスを推進しています。
東京都では知事以下全管理職による「イクボス宣言」を行い、また都内在住・在勤・在学の方を対象とした「パパママサミット」を開催し、仕事・家事・育児のバランスの取れた暮らしについて考えています。(参考:東京ウィメンズプラザ)
さらに、育休の「休む」というイメージを一新する愛称「育業」を用いるとともに、都内企業の経営者・管理職及び従業員等に向けた普及啓発、育業しやすい職場環境の整備を行う企業に対する支援など、民間企業における育業取得を後押ししています。
都内男性の育業取得率は38.9%、都庁職員の取得率は55.4%、いずれもこれまでより大きくアップしています。
2018年の目黒区の児童虐待死事件を受けて、東京都では児童相談所の人員拡大、児童虐待ハイリスク案件の警察と児童相談所の全件共有など、緊急対策を実施しました。
後を絶たない虐待事件を受け、東京都では独自に「東京都子供への虐待の防止等に関する条例」を2019年4月1日施行しました。(東京OSEKKAI化計画)
本条例では、都道府県で初となる、保護者による「体罰禁止」を明記しました。また肉体的だけでなく、暴言やネグレクトなど精神的苦痛を与える行為を「子供の品位を傷つける罰」として、体罰と共に禁じています。
現在、日本を含む世界66か国で体罰が禁止されています。しつけの一環として保護者からの暴言や体罰を容認するようでは、世界基準とは言えません。東京都は皆さんの「体罰によらない子育て」をサポートします。
公立高校と私立高校の授業料の負担額について、大きな差があることについては、以前から問題視されてきました。そこで、東京都ではすべての生徒が安心して勉学に打ち込める環境づくりを進めるため、都独自の制度を作りました。
2017年度から年収760万円未満の世帯に対し、私立高校の授業料を無償化。2020年度からは、無償化の範囲を年収910万円未満の世帯にまで拡大。
2024年度からは、所得制限を設けず都立高校も併せて授業料を無償化しました。本来は国の責任において行うべき取組を、都が先行して行いました。
この国の将来を担う子供たちの学びが、経済状況に左右されることのないよう、東京都は取り組んでいます。
電話やメール以上に日常使用する方も多いSNSアプリのLINE。
東京都ではこれまでも試行的に「自殺相談」「いじめ等の教育相談」「ネット・スマホのトラブル相談」を実施してきました。
2019年度からは、3つのLINE相談のアカウントを統合し、都内在住・在勤・在学の方向けにより使いやすい相談窓口『相談ほっとLINE@東京』を開設、自殺相談、いじめ等の教育相談、ネット・スマホ利用のトラブル相談について、無料でご相談いただけます。
さらに、配偶者等からのDV、性犯罪・性暴力に関するLINE相談窓口『ささえるライン@東京』も設置。身近なツールを通じ、1人1人の悩みに寄り添っています。
2011年の東日本大震災の際、フィンランド在住の日本人女性たちが義援物資として被災地へ液体ミルクを送りました。その際に日本・フィンランド友好議員連盟≪会長・小池百合子(当時)≫が輸入手続きをアシストしました。
2016年の熊本地震の際には、フィンランド大使館、フィンランド企業と協力し、被災地へ約5,000個の液体ミルクを同議員連盟が提供しました。
これまでの災害経験を踏まえ、国内製造・販売に向けた基準の設定を政府に促し、2018年8月、国内での製造・販売がついに解禁されました。
母乳や水・湯が確保できない非常時をはじめ、お出かけの際のお母さんの負担軽減にもつながる液体ミルク。今ではすっかり定着しています。
物価高などにより、都内の子育て家庭を巡る環境は大変厳しくなっています。
また、国の児童手当には所得制限が設けられており、頑張って働いたら所得制限にひっかかり、児童手当がもらえなくなったというケースもあります。
そんな子育て支援を変えるきっかけを、東京都が作りました。
全ての子供たちの成長を切れ目なく支えていくために、保護者の所得に関係なく、都内在住の0歳から18歳までの子供たちに一人あたり月額5,000円を支給。2024年1月から早速支給が始まりました。
所得に関係なく、東京都は全ての子育て家庭に寄り添います。
学校給食は、子供の健やかな成長を支えるとともに、「食」に関する正しい理解を養う上で、とても重要な役割を果たしています。
その一方で、物価高の影響により、学校給食費が子育て世帯の大きな負担となっています。
本来、学校給食は国の責任で無償化すべきものです。
しかし、国の動きを待ってはいられません。
東京都は、国に先行し、公立学校の給食費の負担軽減に踏み出しました。
子育て世帯の経済的負担を少しでも軽減するために、東京都は、国に先んじたスピード感のある取組を行っています。
現代の日本において、不妊に悩む方は少なくありません。また働く女性が増えている今、仕事と不妊治療の両立に悩む方も多くなっています。
東京都では不妊治療費の助成事業を行ってきました。2021年1月にはそれまでの所得制限を撤廃しています。
その後、国が2022年4月に不妊治療を保険適用とすることになったのに合わせ、全額自己負担となる先進医療の治療費への助成も開始しました。
更に、妊娠しても流産を繰り返す、いわゆる不育症の検査費用に対する助成も実施しています。
高額な治療費は不妊治療を行う上で大きな課題です。子どもを望む夫婦に寄り添い、不妊治療を広く支えます。
妊娠や出産に関する正しい知識を持ち、自分の将来設計を考えることは、とても大切です。
子供を産み育てたいと望んでいるものの、様々な事情ですぐには実現できない人にとって、卵子凍結は将来の妊娠に備える選択肢の一つです。
東京都は、こうした想いに応えるため、卵子凍結費用に対する助成(上限30万円)を開始しました。
併せて、凍結した卵子を用いた生殖補助医療に係る費用の一部を助成する事業も行っています。
女性が自己実現できる社会の実現に向け、東京都は全力を尽くしています。
世界経済フォーラムが毎年発表している、男女平等の度合いを示した「ジェンダー・ギャップ指数」において、日本は146か国中125位となっています。(2023年)
東京から、そんな状況を変えていく。キャラバン型就業相談会や非正規雇用の女性向けの合同就職面接会、出産・育児・介護等で離職した方への再就職支援などを行い、女性の就業率は、2016年には52.6%でしたが、2022年には59.1%まで上昇しました。また、女性正社員の数も、138万人から181万人へと43万人増加しています。
都庁でも、女性活躍がさらに加速しています。2023年4月1日時点で、管理職の女性比率は18.4%となり、都の審議会の女性割合は45.7%まで上昇しています。
女性起業家の方がより輝くことで、経済の活性化が期待されます。
東京都は「APT Women(Acceleration Program in Tokyo for Women)」という、女性起業家がスケールアップするための支援プログラムを2017年に新規に開始しました。
2024年度から、女性起業家の資金調達やビジネスモデルのブラッシュアップなどのサポートも開始しています。
また、2019年11月に始まった、日本全体で女性活躍を後押しする取組「女性首長によるびじょんネットワーク」は、すっかり定着。
全国各地の女性首長にご参加いただくと共に、経済界で活躍されている女性経営者の方との情報交換の場を設け、女性の活躍推進の機運をさらに盛り上げていきます。
今後も様々な支援を通じて、女性の活躍を推進します。
現在日本は、ペット(犬・猫)の飼育数が15歳未満の人口を上回るペット大国です。しかし、人間の勝手な都合で健康な動物たちが殺処分されている現実もあります。
東京都では、譲渡機会の拡大のため、情報サイト「ワンニャンとうきょう」を開設。2024年6月時点で48団体が登録されています。
負傷動物を譲り受ける団体等に対し、飼育に必要な物品も提供しています。
2016年度に犬の殺処分ゼロ、2018年度に猫の殺処分ゼロを達成し、現在も継続しています。(2023年10月)
引き続き、ペットと人間の共生社会を目指します。
世界保健機構(WHO)、国際オリンピック委員会(IOC)が「たばこのない五輪」を目指す一方で、日本はこれまで受動喫煙に対する取組は世界最低レベルと評されてきました。
そこで東京都は東京2020大会ホストシティーとして、国に先立ち、2018年6月に「東京都受動喫煙防止条例」を制定しました。従業員や子どもなど「人」を守ることに着目した独自の新しいルールで、2020年4月に罰則付きで全面施行しました。
都の調査によれば、東京都の受動喫煙防止条例の取組について、90.5%の人が「良い取組・やや良い取組だと思う」と評価しています。
受動喫煙対策は医療費の抑制にもつながる重要な課題です。東京2020大会が終わった今も、これからも、東京で、健康ファーストを実現します。
誰もが生き生きと働き、活躍できる“ダイバーシティ”を実現し、互いの個性を尊重し認め合う共生社会を目指すことが必要です。
2019年12月、「都民の就労の支援に係る施策の推進とソーシャルファームの創設の促進に関する条例」を制定しました。都道府県初のソーシャルファームの認証を規定した条例です。2023年度末時点で、70事業者が認証を受けています。
日本では“ソーシャルファーム”という言葉自体はまだ浸透していませんが、障害者や高齢者など仕事を見つけることが困難な人が働く、社会的企業の一つの形。
ソーシャルファーム支援センターで情報提供やコンサルティングなどを行うほか、創設及び運営に係る費用の一部を補助することで、ソーシャルファームの取組を支援しています。
一人ひとりが誇りと自信をもって輝ける社会を目指しています。
性自認、性的指向を理由とする差別を禁ずる法律は、すでに全EU加盟国、アメリカの一部の州やオーストラリア、ニュージーランドなどで制定されていることを見ると、日本での法整備は遅れていました。
東京は2020大会のホストシティ―として国際オリンピック委員会の憲章を踏まえ、2019年4月、性的少数者(LGBT)を理由とした差別の禁止やヘイトスピーチ(憎悪表現)の規制を盛り込んだ「東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例」を施行しました。
差別の根絶を目指すもので、「性的指向・性自認を理由とする差別禁止」を明確に規定した条例は都道府県初。
多種多様な個性が輝き、活力あふれる東京を実現します。
パラリンピック競技の認知度はオリンピック競技と比べるとまだ向上の余地があります。
東京2020パラリンピック競技大会の開催機運醸成のため、「東京都パラリンピック体験イベント「NO LIMITS CHALLENGE」を都内各区市町村で実施。都庁でもボッチャチームの編成など、具体的な活動に注力してきました。
大会はコロナ禍で無観客での開催となりましたが、パラスポーツは多くの都民・国民に熱狂と感動を与えました。
パラスポーツに関心がある都民の割合は、2023年末時点で44.3%。
2030年には80%まで向上させることを目指しています。
東京都は、観光客、高齢者、障害者や子供連れなど様々な方が利用しやすい宿泊環境を実現する取組「OPEN STAY TOKYO」を実践してきました。
2019年には、東京2020年大会に向けて早期に宿泊環境を整備するため、「建築物バリアフリー条例」を改正し、全国で初めて一般客室に対してバリアフリー基準を定めました。客室の入口や、トイレ、浴室の入口に車いすでも通りやすいスペースを確保することなどを規定し、そのための整備費用を補助する制度も創設しました。
その後、東京2020大会の開催をきっかけにバリアフリーへの理解が深まったことを受け、大会のレガシーをさらに発展させていくため、浴室などの出入口の幅に関する規制を見直す(客室の床面積15平方メートル以上の場合は70センチから75センチへ)などする条例改正を2023年に行いました。
東京2020大会のレガシーを活かし、誰もが訪れやすい東京を目指します。
高齢化が一層進んでいくことが見込まれる中、高齢者の暮らしを支える介護人材不足は深刻な課題です。2025年には都内で3万1,000人も介護人材が不足するとの試算もあり、事態は急を要します。
都内で介護人材を確保しようとしても、そう簡単にはいきません。
要因の一つとして、高額な住宅費が挙げられます。
そこで、東京都は2024年度から、介護事業所で働く職員とケアマネージャーに対する居住支援手当を設けた法人に、最大月2万円を支給する事業を開始しています。
障害福祉サービス事業所で働く介護・福祉職員に対しても、同様の手当を支給しています。
東京都は、介護人材不足という避けられない課題に正面から向き合い、必要な対策をとっていきます。
「人生100年時代」とも言われている今、高齢者やその家族が安心して暮らせるサポート体制が求められています。
2022年度末までの6年間で、特別養護老人ホームは約7,200人分、認知症高齢者グループホームは約2,000人分、介護老人保健施設と介護医療院は約3,200人分増加しました。これらの介護サービス基盤の総受入人数は約9万人に達しています。
また、高齢化が進む中、認知症対策は欠かせない課題です。都内52か所に医療と介護の連携などを図る認知症疾患医療センターの指定をしています。そのほか、新規治療法等の研究を進めるなど、共生、治療・ケア、研究の3本柱で認知症対策を推進しています。
介護する側の負担を減らし、高齢者が快適な暮らしを送れるよう、着実に取組を進めていきます。
「人生100年時代」と言われる今、定年退職後の人生は約40年。健康も意欲あるシニアの方々が豊かで活力あふれる第2の人生を送れるよう、シニア層向けの新たな教育プログラムを提供します。
2019年4月から、50代以上の“プレミアム世代”の学びと交流の場として、首都大学東京に「TMUプレミアム・カレッジ」を開講し、定員の約6.2倍となる応募がありました。2020年4月から、引き続き2年目も学び続けられる「専攻科」を設置。2021年4月からは「専攻科」修了者を対象とした「研究生コース」も設置、3・4年目も引き続き学び続けられる環境を整えています。
生涯現役都市の実現に向けて、取組を進めてまいります。
高層マンションの建設など、コミュニティづくりがますます難しい時代になっています。
その一方で、共助社会づくりの中核を担う町会・自治会、商店街の存在意義は防災・防犯面でも大きく、東京都では様々な支援策を実施してきました。
関東大震災から100年の節目となる2023年度には、町会・自治会が不足する備品等の購入を行う際の支援を行うなど、地域防災の要である町会・自治会の力を活かした防災力強化を行いました。
2024年度には、町会・自治会の住民と共同住宅居住者が合同防災訓練を通じ、つながりの構築・強化を図ることができるよう、コーディネーター派遣等の取組を支援しています。
地域コミュニティの活性化で都民の暮らしを守ります。
東京都はこれまでも混雑緩和策としてテレワーク、時差Bizなどの「スムーズビズ」を展開してきました。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、東京都はテレワークの推進に向けた助成金を拡大。コロナ禍では一時期、都内企業のテレワーク実施率が60%以上に達しました。
コロナ禍を経た今、テレワークは今や、持続可能な働き方に欠かせないツールとして定着しています。
2024年度には、新たなテレワークルールづくりに取り組む企業へ奨励金(最大40万円)を支給するほか、育児・介護と仕事の両立を支援するためにテレワーク環境の構築や就業規則の見直しなどを行う企業を支援するなど、テレワークの更なる促進を図っています。
山積する課題に対応するために、税金の有効活用は欠かせません。
「都政の見える化」と合わせ、都民の皆さんの納税における納得感を高めるためにも、都政におけるすべての事業に「終期」を設定することで、一つひとつの事業を真に有益であるかを厳しく検証。
事業の多面的な検証を行うため、エビデンス・ベースによる評価など、新たな事業評価の仕組みを構築しました。
そうした事業見直しの徹底により、8年間で約8,100億円の財源を確保。約4,000件の新規事業の立ち上げにつなげてきました。
2024年度予算編成からは、政策連携団体が行う事業等について、都の施策目標への寄与や 取組の方向性を評価する「グループ連携事業評価」を加えるなど、評価制度をさらに充実させています。
引き続き、ワイズスペンディングを徹底していきます。
行政は都民の方からの税金で運営されています。
都民の皆さんの納得を得られるような予算編成を目指します。また編成過程の透明化を進めるため、予算の要求状況や査定状況について、ホームページ上でのネット公開を開始しました。
また、予算編成プロセスの「見える化」の一環として、2017年度より「政党復活予算*」を廃止しました。
*予算編成過程で、政党からの要望を受け、約200億円の予算が復活する仕組みで、都では東(あずま)都政以来、長年の習慣として続いていた。
現場のニーズを聞くため、各種団体や区市町村から、直接ヒアリングを実施しています。
アジアナンバーワンの国際金融都市――こう聞いて東京を思い浮かべる人は少なくなってしまいました。今や香港、シンガポール、上海が存在感を強め、東京は大きく差をつけられています。
もう一度アジアトップに返り咲くために、東京都では「国際金融都市・東京」構想の策定や半官半民組織「東京国際金融機構」の発足など、様々な取組を進めてきました。
その後、コロナ禍を経て、ウクライナ情勢に端を発し、産業構造の転換、GX・DXが世界経済の新たな基軸になるなど、世界は目まぐるしく変化しています。こうした変化に対応し、金融のビジネスを活性化させるため、東京都は2021年に『国際金融都市・東京』構想を2.0としてバージョンアップしました。
キーワードは『GDP』、グリーンとデジタルとプレイヤーです。環境に配慮した事業への資金調達、グリーンファイナンスの促進、金融のデジタル化の促進、投資環境の整備の拡大を進めていきます。
都内に事業所を置く企業の99%が中小企業と言われています。
東京都では2018年12月、中小企業振興を目的とした「東京都中小企業・小規模企業振興条例」を制定しました。課題である中小企業経営者の高齢化や後継者不足の解消に向け、経営基盤の強化及び事業承継の円滑化や、創業の促進、資金調達の円滑化、人材確保および育成などについて都の責務を柱としました。
コロナ禍やウクライナ情勢、円安は、中小企業の経営に大きな影響を与えてきました。そうした中で、東京都は、資金繰りを支える制度融資の見直しを図り、信用保証料の補助を充実するなど、中小企業を取り巻く状況に応じた支援を展開してきました。
2024年1月の月面でのピンポイント着陸。どの国も成し得ていないミッションの成功には、東京都が主催するビジネスアワードで受賞した実績を持つ中小企業の技術力が活かされています。中小企業の可能性を活かす取組を、今後も展開していきます。
21世紀の基幹インフラは、電波の道・モバイルネットワーク網です。この目に見えない道を「TOKYO Data Highway(東京データハイウェイ)」と名付け、今後の国際的な都市間競争に打ち勝つ礎とするための構想を2019年8月に発表しました。
また、災害時に備え、Wi-Fiなど複数の通信手段による多重化も不可欠です。
東京都では、4G・5GやWi-Fi、衛星通信など様々な通信手段を適材適所で活用することで、都内全域で、いつでも、誰でも、どこでも、何があっても「つながる東京」の早期実現を目指しています。
2023年8月には、東京都の今後の取組やロードマップ等を示した「つながる東京」展開方針を策定しました。
CO2排出量の増加に伴い、異常気象などの気候変動影響が地球規模で年々増大し、世界が「脱炭素」へと歴史的な転換点を迎えています。東京も大都市としての責務と持続可能な成長のため、2050年までに「ゼロエミッション東京」を実現することで世界のCO2排出実質ゼロに貢献します。
これまで、気候変動対策として、「東京ゼロエミ住宅」の全面的な普及に向けた導入支援策を行ってきました。
その上で、2025年4月から太陽光発電の設置を義務化。再生エネルギーの利用をさらに加速させていきます。
また、使用時にCO2が排出されないクリーンエネルギー「水素」の利用も後押し。脱炭素の切り札である水素を「つくる」「はこぶ」「つかう」の各段階に着目して、総合的に支援。水素社会の実現に向けて、歩みを進めていきます。
気候変動を乗り越え、ゼロエミッションを達成した環境先進都市という更なる高みを目指します。
東京都は、世界に羽ばたく東京ブランドを確立するため、2017年に「江戸東京きらりプロジェクト」を発足させました。
Old meets Newをコンセプトに、江戸から続く伝統の技、老舗の産品について、古いものを守るだけではなく、時代の変化に合わせた革新的な取組で磨きをかけています。
2023年末に佃煮や傘など6つの事業者を選定し、『東京の宝』は全部で39事業になりました。
江戸から続く伝統文化は、有形・無形の世界に誇る遺産です。江戸のまちには浮世絵やお寿司などがあり、食文化や循環型の社会は、江戸の時代のレガシーそのもの。こんなところにも江戸の魅力があります。
進化を続ける『東京の宝』に磨きをかけ、事業者の発展につなげながら、多彩な手法でその魅力を伝えていきます。
「行政は知らないところで決まってしまっている」―そう感じることはありませんか?皆さんの「どうして?」にできる限りお答えできるよう、東京都は情報公開を進めてきました。
「東京都公文書の管理に関する条例」を新たに制定し、公文書の適正な管理を厳正化しました。
また、閲覧手数料の無料化に加え、2017年からはオープンデータを活用した「公文書情報提供サービス」を、2019年からは公文書をインターネットで検索し、無料でダウンロードできる「公文書情報公開システム」をスタートさせるなど、都民が求める情報にアクセスしやすい環境を着実に整備。
引き続き、東京大改革の一丁目一番地である、個人情報を除く情報公開を進め、都民ファーストの都政を実現します。
世界中を大混乱に陥れた新型コロナウイルス。多くの方々にご協力いただいたおかげで、1,200日の戦いの末に迎えた2023年5月、感染症法「5類」移行という節目を迎えました。
東京都は、都民の命を守るために、感染症対策の司令塔「東京iCDC」の創設、重症用病床420床やコロナ専門病院をはじめとする医療提供体制の確保など、あらゆる手を尽くしてきました。その結果、東京都における感染による死者数は、OECD加盟国の中で極めて低い水準にとどまりました。
また、東京の経済を守るため、国に先駆けた「協力金」制度の創設、東京版ニューディールTVA(Tokyo Value up Action 作戦)による2万人の雇用確保、業態転換支援などの取組を行いました。
都民の命と東京の経済を守る。東京都はいかなる危機が襲い掛かってきても、全力を尽くします。
いつ起こってもおかしくない、大規模自然災害。中でも、首都直下地震は、東京に甚大な被害を与え、我が国の行く末を左右しかねない脅威です。
東京都は、東日本大震災以降、首都直下地震に備え、防災力の強化に向けた様々な取組を強化してきました。
住宅をはじめとする建物の耐震化、木密不燃化10年プロジェクトに代表される「燃えないまちづくり」、無電柱化や帰宅困難者対策、災害時の自助・共助を確保・強化するための備蓄支援など、全方位にわたる対策を進めてきました。
これまでの取組の成果により、10年ぶりに見直しを行った首都直下地震の被害想定では、10年前と比べて、死者数は約4割減少する見込みとなりました。
何よりも大切な「命」を守るため、東京都は17兆円を投じ、「TOKYO強靭化プロジェクト」を推進していきます。
道路の無電柱化は、震災時の道路閉塞や台風による停電・通信障害を防ぐなど、大きなメリットがあります。
東京都は災害に強い街づくりのため、2017年9月に都道府県で初となる東京都無電柱化推進条例を制定しました。
2019年度末には、東京2020大会会場や首都機能が集中しているエリア*内の都道の無電柱化がほぼ終了。2022年度末時点で都道全体の約半分(46%)の無電柱化が完了 。
また、島しょ地域では、地域特性を考慮した整備手法で工期を短縮し、先行して利島、御蔵島の島内完全無電柱化を加速しています。
2025年度までの年間整備規模の倍増、道路の9割を占める区市町村への財政・技術支援、技術開発・コスト縮減の促進など、電柱のないまちを実現するため、今後、取組を更に加速化いきます。
*センター・コア・エリア=首都高速道路中央環状線の内側のエリア
東京都全体の活性化に不可欠な多摩・島しょ地域のさらなる振興のため、市町村総合交付金は8年前の490億円から130億円増額し、2024年度は620億円の予算を確保しています。
多摩地域では、国際人材を育てる「TOKYO GLOBAL GATEWAY GREEN SPRINGS」や日本初の公立の小中高一貫校を立川に開設するなど、教育施設を充実。多摩都市南北道路の整備率を引き上げるとともに、 多摩都市モノレールの延伸も強力に後押しするなど、インフラ整備も積極的に進めています。
また、島しょ地域では災害対応力を高める無電柱化を進めるほか、地域資源、特産品、歴史・文化などの「宝物」や隠れた魅力を掘り起こし、一層磨きをかけ広く発信する「東京宝島 SHINKA(進化)プロジェクト」を展開しています。